普段は、英数の2科目だけですが、夏期講習では社会の授業も受講する生徒が増えます。
社会は暗記だから授業はいらないという方が多いのですが、その暗記の方法が間違っているので
夏期講習で修正しています。
例えば
まずは基本中の基本と思われている日本の都道府県。
帝国書院さんの調査によると日本地図を見て、都道府県名が全て言える中学生は
50%以下です。
都道府県が覚えられていないんですね。
さて、その状態で、日本の工業を学びます。
京葉工業地域は、どこかな。地図のこの場所だ。
と一生懸命暗記しようとします。
こんな暗記は不要ですよね。
「京」が東京、「葉」が千葉とわかっていれば暗記しなくていいことです。
まずは、東京と千葉の場所を覚える。暗記するのはこっちです。
京葉工業地域がどこか覚えられない。という生徒は、千葉と東京の場所があやふやなのです。さらに
「千葉」「東京」「京葉」を別々に暗記しようとします。
これだと暗記すべき量は増える一方で覚えられるはずがありません。
次に、京葉工業地域の特徴
金属20.2% 機械:13.3% 化学44.2%
と一生懸命暗記が始まります。
違う違う。他の地域との違いだけを覚えればいいのですよ。
化学が多い。これだけでいいのです。
金属、機械は無視。化学の44.2%も「多い」と言うだけで十分です。
東日本大震災の時に、この地域の石油化学工場が爆発しましたね。実際の事件などとも関連付けて覚えましょう。
もう忘れないはずです。
とりあえず
日本の地理はまずは都道府県をしっかり覚えるのが基本です。
同じような例になりますが、もうひとつご紹介します。
頑張って気候を覚えました。もう気候は得意になりました。
気候グラフを見て、「日本海側の気候」だとわかったとします。
素晴らしい、よく勉強しました。
そこで
・・・(問題)このグラフは何県のものですか?
・・・(答)「岩手県」
ってことになってしまいます。
あらまあ、せっかく気候グラフ覚えて、しかも正解できたのに、
岩手県が日本海側ですか?
単に暗記といっても、何を最初に覚えて、何は覚えなくていいのか、ちゃんと指導していきます。
ここで終わりではありません。社会の本来の勉強はその次にあります。
大阪府の社会の高校入試問題は、単に暗記していても問題は解けません。
学校の定期テストでは知識を確認する問題が多くあります。(最初にそれが必要ですから)。
ところが、入試になると知識だけでは解けない問題がでるようになります。
理解して、その知識を使えるようにすることが大切です。それが社会の本来の勉強です。
知識を使うということですから、知識が不要ということではありませんよ。
そこで、夏休みは基礎となる知識を使えるように暗記(インプット)していきす。
その後、2学期からその知識を使う練習をしていきます。
(参考)
帝国書院さんによる平成14年の調査です。クリックすると詳しい調査報告のPDFが閲覧できます。
奈良は歴史ある県なのに認知度低いですね。
岩手は認知度高いですね。大きいからかな。
都道府県を覚えていない大人が、盛岡に出張するのに「山形新幹線」に乗ったりしますよ。たいてい誰かが事前に止めてくれますけど。
たまに本当に間違って行っている人を見かけます。