大学入試の基礎。入試方式の概要と入学者の比率をご紹介します。かつて、保護者の皆さんの入試の際はほとんどが一般入試でした。
最近の傾向をご案内いたします。
下記は平成29年度の入学者数の受験タイプ別の割合です。
国立大は、まだ一般入試が主な方法です。しかし、推薦入試の比率が増えてきています。
私立大がついに半分以上がAO,推薦入試での入学になっています。
全入学者の合計でみても、もう半分は推薦・AO入試です。保護者の皆さんの時代とは様変わりしています。
2020年の入試改革以降 国立大でも推薦枠が増えてきますので、大きく変わってきているということを知っておいてください。
出典:平成29年度国公私立大学入学者選抜実施状況(文部科学省)
①一般入試
国公立一般入試は、2020年からセンター試験から共通テストに変わり、出題内容が、思考力問題、記述重視の方向になっています。
この変化に合わせ、私立大も変更されれると思われますが、まだ細かなところは決まっていません。ただ、試験内容、科目の変化はありますが、昔の入試のイメージと同じものです。
今後、一般入試で合格者数が減っていく傾向にありますから、一般入試の入試偏差値は高くなっていくことが想像がつきます。そういう傾向にあるということを押さえておきましょう。
私立大の共通テストへの参加動向や独自テストでの科目数など変動が予想されますので、これから数年は目が離せません。
②推薦入試
大きくは、指定校推薦入試と公募推薦入試があり、かなり性質が異なっています。
1)指定校推薦入試(高校から推薦してもらえるもの)
各大学が、それぞれの高校に人数と評定基準などの条件を提示し
高校が推薦者を決める方法です。
その後、大学で面接や試験がありますが、推薦された生徒はほぼ合格します。
条件は、例えば、「評定平均 4.3以上 かつ、 生物を履修していること」
など、大学の基準に沿って高校内で推薦枠が選抜されるものです。
この入試方式での注意点は、
・高校別に大学が指定する条件が異なる(高校全体が優秀なら条件が緩いということです)
・推薦枠は毎年変動し、高3の夏休み前ぐらいまでわからない
・専願のみのため、決まったら辞退できない。
ということがあります。
昨年まで10人だったのに、今年から8人になった。
そのために、いつもより成績がよくないと行けなくなる。ということがおこります。
また、大学の人気も影響します。
昨年まで人気がなくて枠が余っていたのに、今年は人気で成績上位者で枠が埋まってしまった。
このような不測の事態も発生しますが、高校の勉強をしっかりしていれば、そのまま大学に行けるという制度です。
この入試の特徴は、同一高校内での成績順で大学が決定するということ。
指定校推薦で合格するには、高1から学校の定期テストで上位成績をとっておく必要があります。
どの教科も捨てることができない入試です。
2)公募推薦入試(自己推薦)
名目上は高校の推薦状が必要ですが、特に関西では
・高校は必ず推薦状を書いてくれる
・併願もできる(関東は併願できない場合が多い)
・浪人生も受験できる
と一般入試と変わりません。
注意点としては
・入試の時期が10月~12月と早い
・関関同立などは実施していない
・入試科目が一般入試と異なる
このため、どうことが起きるかというと、
・公募で合格したいがために、一般入試向けの勉強(特に一般入試のみに必要な科目)がおろそかになる。その結果、一般入試での合格の可能性が下がる。
・受験日が早いので入試の勉強が間に合わない。
・一般入試より公募入試が難しくなるため、不合格になって志望校を諦める。
例えば、
一般入試「英国社」の大学を第一志望としている
公募入試は「英語、現代文」とした場合
10月11月に「古文」「社会」の勉強が止まってしまいます。その結果、「英国社」入試で合格レベルに届かなくなります。
また、英語の基礎が不十分であるので本来なら11月まで基礎演習を繰り返したい。
しかし、公募入試があるので、過去問演習の比率が高まる。
その結果、基礎演習不足になり、今度は一般入試に間に合わなくなる。
このようなことがおきてしまいます。
高校から公募を受験するように指導されますが、自分の志望校や性格、目的を考えて受験プランを立てることが必要になってきます。
③AO入試
これは大学により大きく異なるので、行きたい大学の入試要項をしっかり確認して下さい。
要件が厳しい大学、緩い大学など様々です。
うまく、自分の得意なことが入試要件であれば入りやすくなります。
ただし、
AO入試で合格するためだけに ボランティアをするとか、何かのリーダーをかって出るとか
そういう対策はやめておきましょう。
自分のしたいこと、してきたことと大学の求める人材が合致している大学を選ぶことが大事です。
今回は入試方式のご紹介でした。