入試での理科、社会は、もはや暗記科目ではなく、本文を理解する能力を試す国語の問題になってきています。
しかし、いまだに、社会は暗記科目と言って、用語の暗記しかしていない生徒がたくさんいます。
用語丸暗記でそこそこの点数が取れるのは、定期テストだけです。定期テストは暗記だけで取れてしまうので暗記科目ということが定着してしまったようです。
定期テストは何とかなっても、模試や入試では手も足も出ない状況になっています。
では、とうやって勉強していけばいいか、それは単純です。入試は教科書からしか出題されません。
写真や資料も教科書からです。資料や写真の見方は教科書に書いてあります。
教科書に書かれている内容を、写真や地図などの資料を見ながら理解する能力があればいいのです。
歴史の教科書には、地図や資料がいっぱいカラー写真で掲載されています。それを見ながら本文を読んで一語一語丁寧に読んでいくのです。
例えば歴史の教科書
ルネサンスの時期のヨーロッパでは、羅針盤(写真付き)が実用化され、航海術も進歩し、世界地図(当時の地図が写真で掲載)が作られました。このためヨーロッパ人は大西洋に乗り出すことができるように(地図上に航路が書かれている)・・・・・・
という風に、すべて写真、資料、地図を見ながら読んでいくと内容が理解できるように作られていいます。
繰り返しになりますが、入試は教科書にそって作られますので、基本的には教科書に書かれているような資料の見方ができるようになればいいのです。
資料を理解するには一定の知識は必要ですので、用語の暗記も不可欠ですが、用語を覚えたうえで、教科書を飛ばし読みすることなく読むことができれば、高校入試は90%以上得点することが可能です。
用語を覚えるうえで大事なことは言葉の定義を正確に覚えておくことです。この文章の場合は
ヨーロッパ・・・どの地域?
羅針盤・・・実用化とありますが、何をするもの?
実用化・・・どういうこと?今までもあったけど使えてなかったということですよね。
航海術・・・何それ?
航海術の進歩・・・どのような進歩をしたの?
世界地図・・・・今のとの違いはあるの?
大西洋・・・・どの海?
乗り出す・・・・何のために?今までできなかったのはなぜ?
のように一語一語丁寧に読みます。丁寧に読めば疑問がわいてくるはずです。その疑問に対する答えも教科書にあります。
丁寧に読むことで
・資料の見方
・時代の前後のつながり
・事件が起こった理由
なども理解できるようになります。これさえできれば無敵です。
塾では、教科書を読むために必要な最低限の知識を身に着ける練習。
そのあとで、資料を見ながら理解する演習
を積み重ねていきます。わからないところは教科書を一緒に丁寧に読み込みます。
集合授業でわかりやすいと言われる社会の先生は、「みんながわからないだろうな。」と思う用語や、「疑問をもって欲しいな」と思うことを解説しながら話をしています。何も考えていなくても、先生が先に解説してくれるので、とても楽です。しかし、記憶には残りません。
自分で何だろう、どうしてだろうと思って、自分で考えた後に解説を聞かないと覚えることができないんですよね。
優秀な生徒は、学校の授業で疑問をもっています。そこに塾でちょっと解説が加わると腑に落ちて理解して、記憶に残ります。何も考えずに授業を聞いても意味がありませんよ。
ゆっくりでいいので、自分で読んで資料をみて理解していくという勉強をしましょう。
そして、問題演習をしてください。問題演習は、「読み飛ばしたこと」「本当は疑問に思わないといけないのに、さらっと流し読んでしまったところ」が出題されています。できなかかったら、もう一度教科書を読んで読み飛ばしがなかったかを確認しましょう。
とっても地味でめんどくさい勉強方法ですが、これが一番大事なことです。
今回は社会の例ですが、理科も同じです。暗記ではなく、一語一語正確に理解しながら音読することが大事です。